怪我をし、入院してから一番最初に始まったリハビリは自分で食事をするということでした。
約3ヶ月ほどは起き上がることが出来ず寝込んでいたため、腕の筋力は衰え、スプーンを口に運ぶという動作が出来ませんでしたが、毎日毎日繰り返すうちに自然と筋力も付き、嫌だった食事も楽しくなっていったのを覚えています。
このスプーンはその当時使っていたもので、手のひらに通して使用するものです。現在は使用していませんが、指が動かない頚髄損傷者はこのような感じで食事をしています。また、カフというバンドを手に差し込み、そこにスプーンやフォークを付けて食事する、という自助具などもあり、こちらの方がいろいろと活用場面が多いかもしれません。
これは普段使っている箸です。箸蔵くんと言います。本当にそういう名前なんですよ。私は左利きですが、右利き用でも使えます。背屈したときに少しでも握る力があれば使用可能だと思います。箸を広げてくれるのは内蔵されているバネの力なので、広げる動作が出来なくても大丈夫です。子供の箸の持ち方も良くなるそうです。機会があれば、ぜひ使ってみてください!新しいバージョンの箸蔵くん2がオススメです。
青い方の箸は7年近く使っているので、色落ちが激しくみぐさいですが、箸で麺類を食べれた時が、怪我をしてから一番嬉しかったことです。私は箸蔵くんだけで4つ持っています。外出の時にも持って行きます。急に、友人と外食することになったときなどは助かります。車に1つ置いておくなんてどうでしょう?しかし、福祉用具は面白い名前の物が多いですね。他には箸の助なんて箸もあります(^_^)
リーチャーです。ハンガーに掛かっている洋服を取ったり、遠くのものを手繰り寄せたりするときに使用します。先端部分がフックになっていて、このフックに物を引っ掛けて、落ちている物を拾ったり遠くの物を手繰り寄せたりします。
長さは2m・1.2m・63cm・30cmの4種類です。一番短いリーチャーは、床に置いてある靴を取ったり、下に物を落としたりしたときに使います。真ん中二本のリーチャーは、あまり重い物だと握力が無いので持ち上げられなかったりしますが、下の画像のように洋服を掛けたりと結構使用頻度は高いです。
2mのリーチャー(ただの棒)は拾い物ですが、カーテンを閉めたり、電気のスイッチを押したりするときに使用します。リーチャーのおかげで少々高い所の物でも取れたりするので、立ち上がれない頚髄損傷者には必需品です。
それと、画像には写っていませんがマジックハンドが便利です。握力がないので使い方は工夫しないといけませんが、これがほんとに助かります。
トイレで使用している自助具です。レシカル挿入器と、足を広げておくための自助具、レシカルを入れておくタッパーです。
自力で排泄が出来ないため、レシカルという座薬を使用して便を出します。肛門からレシカルを挿入するとガスが発生します。そのガスの力で便を出します。しかし、レシカルを指で持って入れるという動作が出来ないので、このレシカル挿入器を使用します。こういった物を使用することで排泄は一人で可能になりました。上の画像の白い部分にレシカルをセットして、股の間を通して肛門に入れます。肛門が見えないので、2~3個レシカルが便器の中に落ちてしまったりとなかなか難しいです。
便器をまたぐと、痙性(痙攣のような感じ)が起きて足がすごい力で閉じてしまいます。そうなるとレシカル挿入器が入れられないので、画像一番右のように足を広げる自助具を使用します。作業療法士の方に事情を説明して作ってもらいました。足に力が入らなく広がってしまい困る、という頚損の方もいるみたいですが、私の場合は足が閉じてしまい困っていました。これを使うことによってバッチリ足が広がるので、レシカル挿入器を通しやすく便利です。